10月 水滴と綿毛

 

 水でできた“雪の結晶“を見たことがありますか? 

 

 先日、石川県は片山津にある「中谷宇吉郎 雪の科学館」に行ってきました。

 予備知識なしで、期待もなく、たまたま訪れたところでした。宇吉郎が世界で初めて人工的に雪の結晶を作った物理学者と知っても、特に何も感じませんでした。

 雪の結晶は、私にとっては特に目新しいものではなかったからです。生まれ育った滋賀北部では、冬の早朝、車のフロントガラスはびっしりと雪の結晶で覆われています。一時期住んでいたスウェーデンでは、降る雪の粒すべてが雪の結晶でした。自分にとって珍しくないものは、注目に値しないとつい思ってしまいます。

 

 そんな中、雪のなりたちや結晶のことを、職員さんが易しい実験を通して、楽しく分かりやすく教えてくれました。目からうろこの面白さでした。今まで雪を気にかけなかった自分が恥ずかしくなるほどでした。

 実験の一つ、「水でできた“雪の結晶“」を作ってみることが一番印象に残っています。

 氷はどこから溶けると思いますか? …表面から? 正解です。けれどそれだけでなく、強い太陽の熱を浴びると、内側からも溶けるのです(強めのランプでも)。溶け始めると、氷の中に水の結晶の核ができ、それが六角形に広がってゆきます。六角形が成長するさまを見守る時の感動は、言葉になりませんでした。直径2センチほどに大きくなると、肉眼でもしっかり見えました。

 まさに、雪の結晶の水バージョン“でした。発見者にちなんでチンダル像というそうです。雪の結晶になる時も、氷が内側から溶ける時も、どうして六角形になるのかは別の機会に。

 

 この実験が、誰でも簡単にできるというのだから驚きです。

 必要なものは、

  ①発泡スチロールの容器

  ②水

  ③冷凍庫

  ④平たい皿

  ⑤強い日差し。

 ポイントは氷の作り方です。空気の泡の混じっていない透明な氷でないと成功しません。どうして泡が混じっていると作れないのかも、また別の機会に。

 インターネットで「雪の科学館」と検索すると、詳しい実験法が書いてあります。私も試してみたのですが、残念ながら氷がうまく作れず、模索中です。皆さんも是非チャレンジして、よいやり方を教えてください。

 また、雪の科学館職員さんのしゃべり方や、問いかけ、実験への誘いもすばらしかったです。インタープリテーションの参考にもなると思います。少し遠いですが、是非「中谷宇吉郎 雪の科学館」を訪れてみてください。

 

 身近な自然に、驚きがひそんでいることを強く実感するとてもよい体験でした。

 

 まだまだ数え切れないほどあるんだろうなと思っていた矢先、下の写真の光景に出会いました。早朝の散歩中、やけに白いタンポポの綿毛を発見し、近づいてみると、結露がびっしりです。水の芸術でした。顕微鏡で拡大してみたら、更に驚きの世界が待っているような気がしています。

 

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