ちはやチームは大阪府の南部、千早赤阪村にある「ちはや園地」を中心に、ガイドウォーク、石窯ビザづくり、ナイトハイク、星空観察、ハイキングなどのイベントを行っています。近日開催予定のイベント情報はこちら。
※参加者の写真は事前に許可をいただいうえで掲載しています。
6月5日(木)ちはや園地でオトシブミ観察の自主研修を行いました。当初予定していた5月31日の実施が雨のため中止となったため、日程を変更して実施しました。
今回の研修では、
・オトシブミの揺籃を探し、生息場所、生息環境、生息する樹木の種類などを調査する。
・揺籃と生息場所からオトシブミの種類を同定する。
・タイミングが良ければ揺籃作りの様子を観察する。
を目的として実施しました。
当初の予定どおり、金剛山ロープウェイ前からちはや園地までの登山道を揺籃を探しながらゆっくり歩きました。途中コクサギなど葉が巻かれているものはいくつかありましたが、オトシブミではないようでした。普段の2倍以上の時間をかけて、ちはや園地まで歩きましたが道中ではオトシブミの揺籃は見つかりませんでした。
その代わり、意外なものも発見しました。ナナフシの幼虫です。(写真1、2) 小さいけれど、しっかりナナフシの形をしていますね。
ようやく園地に着いて、エゴノキを観察しているといくつか揺籃が付いているのを見つけました。(写真3)詳しく観察しているとオトシブミの成虫らしき個体も発見しました。(写真4、5)
図鑑を基に同定を試みたところ、エゴノキで見つけた個体と揺籃はおそらく「エゴツルクビオトシブミ」のメスではないかと思われます。雑木林で見つけた揺籃は、切り落された後で樹種がはっきりせず同定はできませんでした。
どちらも持ち帰ってしばらく観察することにします。
今回の研修では、オトシブミの揺籃のタイプや作り方に違いがあることや、切り落すものと切り落さないものがあること、1つの種類のオトシブミでも2通りの作り方をするものがあることなど、より深く学ぶことができました。しかし、まだまだ奥が深く解らないことも沢山あります。
また、普段と視点を変えて観察することで、普段は見過ごしているものを発見したり、樹木の勉強にもなりました。
今後も機会があれば、また観察場所を変えてやってみたいと思います。(ogi)
5月3日(土)金剛山でニリンソウ観察の自主研修を行いました。この日もニリンソウ目当てで金剛山を訪れる人が多く、バスは満員でした。
金剛山カトラ谷にはニリンソウの群落があり、毎年この時期見ることができます。毎年見ていても、改めて見ると群落美しさは圧巻で、癒されます。大勢の方が訪れるわけです。
今回の研修では
1.ニリンソウの名前の由来の「二輪咲くから」というのは本当なのか?
2.生息する環境、生存戦略について
3.ニリンソウの形態や葉
4.ニリンソウの花の形・色。イチリンソウとの違い。
5.図鑑が解説していないニリンソウの器官は
などについて実際に観察して確認し、下記のようなことがわかりました。
1.二輪咲いているものもあれば1輪のみのものもある、ネット調べによると生存戦略のため一気に二輪咲かさずに、一輪ずつ時間差で咲いているのではないかとのこと。
2.林内や林縁の湿った半日陰地に群生している。
3.葉は全体的には、五角形状で、大きく3つに分裂する。同じキンポウゲ科のトリカブトの葉によく似ている。
4.白い花弁に見えているものは萼片で5枚ある。内側は白で外側は薄いピング。蕾は薄いピンク色。イチリンソウは一輪のみで、ニリンソウよりかなり大きい。
5.図鑑では詳しく解説されていないが、花茎の基部に2枚に小さな葉のようなものが出ている。ネット調べによると苞ではないかとのこと。
その他ニリンソウ意外にも、ウワバミソウ、ネコノメソウ、トウゴクサバノオ、サイゴクサバノオ、ナベワリ、ヤマシャクヤク、イチリンソウ、エンレイソウ、バイケイソウ、ヤマルリソウ、ヤマトグサ、ツクバネソウ、ハナネコノメ、ユキザサ、ヒトリシズカ、ミヤコアオイ、カタクリ、ヤマブキソウ、クリンソウ、ミヤマカタバミ、チゴユリなどが観察できました。
まだ見ていない方は、是非一度行ってみてください。(ogi)