2021年度の活動報告

くろんど園地のザリガニの捕獲について

 くろんど園地の八ツ橋周辺の池には、アカガエルやモリアオガエル、ヤマトサンショウウオなどが生息しています。しかし池にはアメリカザリガニがたくさんおりオタマジャクシを餌にしています。希少種の生きものを守り、数が減らないようにするには外来種のザリガニを駆除する必要があります。
今回ザリガニの駆除を目的に池に捕獲網を入れてみましたので報告します。

 

2021/7/16(金)
 7/16にさんさくの池に捕獲網を入れ、翌日確認したところ大きなザリガニが5匹入っていました。成果(釣果?)アリです! 

もう少し日数を置くと捕獲数も増えるのではないかと思いますが、捕獲網は一杯に広げた状態では入口の位置が高くなり、小さいザリガニは入りにくいと思われますので入口をできるだけ水底に近くすれば、もっと捕獲できると思われます。


 今後ですが、捕獲網をもう一つ購入してそれぞれの池に常時入れてザリガニを効率よく捕獲できるようにしたいと思います。

         写真1. 捕獲網設置                 写真2. ザリガニ捕獲状況

 

2021/7/17(土)

 7/17に捕獲網を第2キャンプ場の池に移しました。

尚、さんさくの池に設置していた監視カメラは第2キャンプ場の池に場所を変更しました。(報告T.T)

 

 ザリガニ捕獲数

確認日         場所             捕獲数         
 2021/7/18 第2キャンプ場池             10
2021/7/24 "             11
2021/7/30   "                2
" 第2キャンプ場     21

くろんど園地 八ツ橋のミズバショウ株数変遷(2021/6/19報告)

 くろんど園地の八ツ橋にあるミズバショウは、毎年3月下旬から4月の上旬にかけて見ごろを迎えます。ミズバショウが咲くと湿地の景色とその群落がぴったりはまって見ごたえのある景観を作ってくれます。

 

 このミズバショウですが、2017年に調査されて約1000株ほどあることが分かっています。2021年現在では更に株数が増えていると思いますが、この

ミズバショウは元々八ツ橋に生えていたものではなく、園地ができた1980年前後(S55年頃)に植えられたのではないかと思われます。

当初どのくらいの規模て植えられたものかは分かりませんが、2005年ころに

レンジャーのFさんが数えてみたところ約100株あったと言う話があります。

 植栽されてから年々どのように増えて行ったのか興味のあるところですが、

過去に撮った写真からこの20年の変化をたどってみました。

(2021/6/19 た)

 

2021/4月 時点のミズバショウ (現在)

現在の八ツ橋のミズバショウは、木道の中央部あたりから、その下流にかけて広く分布を広げており、管理道側から見ても相当な株数になっています。

写真1 八ツ橋中央から下流                    写真2 八ッ橋中央山側

 

2011/4月 当時のミズバショウ(10年前) 

2011年当時、かなり増えてきた様子が分かりますが2021年現在にに比べると少ないのが分かります。 

写真3 八ツ橋中央から下流                    写真4 八ッ橋中央山側 

 

2004年 当時のミズバショウ(20年近く前) 

2004年当時は明らかに株数が少なかったことが分かります。 

山側にはある程度株数が見られますが、中央部付近とその下流にミズバショウはまばらにしか咲いていません。

写真5 八ツ橋中央から下流                    写真6 八ッ橋中央山側

※注:

ミズバショウは地下茎で増えると思われがちですが、実際にはミズバショウは

種子の散布によって増えます。ミズバショウは4月に花が咲くと、6月/末から7月にかけて成熟した種子が湿地に落ちて水に流されて分散していきます。

詳しいことはコチラを参照ください。

 

くろんど園地 カタクリの森

開花・生育状況等の調査・観察レポート(2021)

 2014/10に植栽された、カタクリの個体群の維持/成長の予見を目的として、2017年春から、カタクリの森全域の開花数と、特定の調査箇所における実生と若い個体の生育状況とを、調べています。

【要約】

・開花数:昨年から倍増し約730、2019年の510を上回る水準に回復。

・実生:南側の山側を除き集中発生は少ない。昨年の開花数が影響か。

・若い個体:山側を中心に数を増やす。2018年に発芽した実生集中箇所では、4年目をむかえ、長さ2~3cmの狭卵型に成長。

・寒冷紗の効果:設置有無に関わらず、ほぼ全域で開花数が昨年より増加。食害後の回復や、栄養状況による開花数の変動の影響に埋もれた考えられ、有意な効果の見極めに至らず。できれば、来年も設置し、効果を見極められたらと思っています。

図1.まとめ
図1.まとめ

【本文】

(1)開花の状況

 開花数は、350(2020年)→730(2021年)と倍増、イノシシの食害を受けた510(2019年)を上回る水準まで回復し(要約の図1)、群生の景観が戻ってきました(写真1)。中でも、南側の山側の桜寝返り周辺は135とイノシシの食害前の100を越えて増加しています。

 (2)実生、および、若い個体の生育状況について

 実生は、南側の山側の桜寝返り周辺で80程度が観察された(写真2(b) コドラートDの赤色)場所以外は、集中して発生している場所は見当たらず、昨年の開花数減少が影響しているのかもしれません。

 若い個体は、コドラートの定点観測地点や山側を中心に、順調に数を増やしています(写真2(b) コドラートDの緑色)。また、2018年に発芽した実生集中箇所では、4年目をむかえ、長さは2~3cmと昨年とあまりかわらないものの、幅が少しひろがって狭卵型に成長しつつあります(写真3)。

 (3)寒冷紗の設置効果について

 昨夏に寒冷紗を設置した場所では、地温上昇緩和が確認できて、開花数も増加していましたが(写真4)、寒冷紗設置の有無に関わらず、ほぼ全ての群生箇所で開花数が昨年より増加しています(図2で横軸が1.0以上の箇所)。

 一方、イノシシ食害後の開花数と比較すると、ほぼ全ての群生箇所で、同等の開花数に戻っています(図2で縦軸が1.0あたりの箇所、(A5)はイノシシの掘り痕があり損傷による減少の可能性あり)。つまり、昨年は食害からの回復途上で、2年かけて食害後の状態まで回復してきたと考えられそうです。加えて、開花可能な個体であっても栄養状況により毎年開花状況が変動します(参考文献)。

 結局、食害後の回復や、栄養状況による開花数の変動の影響に埋もれて、1年間だけでは、開花数増加に対する寒冷紗の効果を見極められなかったと考えます。できれば、来年も設置継続して、効果を見極められたらと思います。

(4)結実状況

 コロナ感染拡大にともなう非常事態宣言の発令により、結実期に園地事務所が閉鎖となり、調査実施できませんでした。

 ただm開花数の調査時点で、多くの花のおしべや花柱に昆虫のしわざと思われる花粉付着しており、それなりの結実が期待されます。

 

(5)個体群の維持/成長の考察

 一昨年、昨年と開花数が連続して激減して、悲観的な姿を想像していました。しかし、今年の回復や、山側の開花個体増加により、来年は実生の増加も期待され、開花数が750+αで推移できる希望が出てきました。

 

おわりに

 今年の開花数の劇的な回復は予想していなかっただけに嬉しい誤算です。イノシシの食害の影響が1年を越えて残っていたのでしょうか。

 森林整備のみなさまには、下草刈り、イノシシの忌避対策、寒冷紗設置など、多大の尽力に感謝しています。ただ、寒冷紗設置のうち1か所(A5)はイノシシの掘り痕もあり油断禁物、今年もご協力のほど、よろしくお願い致します。

参考文献

河野昭一,植物の世界(草本編上)(ニュートンムック).2001

ゆるやかに入れかわる集団(p.30-33)、種子を優先する栄養配分(p.34-35)

 

補足:調査・観察日

・開花数調査:2021/4/01・07

・成長状況調査(コドラート):2021/4/01・07

・結実数調査:可能であれば5月上旬に実施予定

・下草刈り・忌避剤設置:2020/10/24・11/3, 2021/3/27

・寒冷紗設置期間:2020/7/20~10/19

(2021/4/11 ます)

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