No. 18 ミズバショウの種

 くろんど園地八ツ橋のミズバショウは、今から10年ほど前(2006頃)は100株足らずでしたが、年々株数が増えて今では千株近くに広がっています。

さて、このミズバショウはどのようにして増えていくのでしょうかか? 長年その種子を見てみたいと思っていましたが、中々その機会がありませんでした。
 

 ミズバショウは写真に良くある白いモノが花だと思っている人がいますが、実はあれは花ではなく苞(ホウ)と言って葉の一部です。本当の花は白い苞の中心にある棒状のもので黄色い粒々に見えている部分です。これを肉穂花序(にくすいかじょ)と言います。

 春に咲くミズバショウは清楚で可愛い花ですが、夏には大きく葉が伸び数十センチから1mの大きさに成長します。そして7月には肉穂はこん棒のようになって地面に倒れます。

 倒れた肉穂の中にどんな種が入っているのか調べてみました。成熟した肉穂は外側はマツボックリ状(柱頭の名残)ですが、中はおからの様に柔らかく簡単にボロボロと崩れます。つぶしていくと、おからにまぶれた固い種子がやっと見つかりました。種子はゼリー状のものに包まれといて4mm前後の楕円形で片側を押しつぶしたような形をしています。

 残念ながら出てきた種の数はそう多くありません。調べたものは数個あるかないかでした。種の数量は個体差があるものと思われますが、恐らくミズバショウの咲く時期はまだ昆虫も少なく受粉率が低いことが少ない原因だと思われます。ある本にはミズバショウは風媒花だとありますが、風媒の効果も少ないようです。
 
 近年八つ橋では、春に実生から育ったと思われるミズバショウの幼芽が見られますが、今後は親株が増えたことで種子数も増え、新しいミズバショウが増えるスピードがが加速するのではないかと思われます。(H28/7/13た)

 

ミズバショウ3000作戦

ミズバショウの実生 2019/6/17
ミズバショウの実生 2019/6/17

 八ツ橋から駐車場に向かう管理道沿いの水辺にもミズバショウを増やしたいと言うことで、2018年の7月に種子を採取して撒きましたが、2019年6月には3株の実生が確認できました。相当数撒いたのですが発芽率は低かったようです。


 昨年は採取した種子をそのまま撒いたのですが、調べてみると種子の周りに付着物があると発芽し難いとのこと。そこで今回は採取した肉穂をバラバラにして水で綺麗に洗い種だけを取り出すようにしました。ミズバショウの種子はゼリー状のもので覆われていて、水に浮かべると全体がぬめって種子だけにするのに時間がかかります。ふるいに入れ、流水にさらして何度も種子を擦り辛抱強く洗いようやく種子だけにすることができました。


 種子は、水に浮かべて置いておくと2~3週間すると芽が出るとのことで、6/24から発芽を観察を始めました。上手く行けばミズバショウ3000作戦(ミズバショウを3000株に増やす)として園地に撒きたいと思っています。(2019/6/30た)  

 

2019/6/24 採種作業と種子を水に浮かべた状態

2019/7/17 種子採取から2~3週間後の発芽の様子

   写真➄        写真⑥         写真⑦        

 ミズバショウの種子を持ち帰っていただいていたNさんより、7/7にミズバショウの芽が出てきたとの連絡がありました。写真➄の状態で、丁度2週間ほど経っています。
こちらのものはと言えば、2週間を過ぎてからようやく芽が出てきました。

写真⑥で、は芽が出てきたもの。は芽が出るにところが膨らんできたものです。(2019/7/12頃)

 

2019/7/21 観察開始から第4週までの様子

 発芽の様子を時系列で並べてみました(ただし同一の種子ではありません)。
水に浸けて約2週間経つと、種子の中央部に赤い点の様なものが現れ、それがふくれてきて、明らかに芽とわかるようになります。早いものは芽が出始めました。3週を過ぎると芽が青みを帯びて伸びてきました。更に芽の下部には白い突起物が出てきて、第4週になるとハッキリ根だと分かるようになります。
 

 種子は発芽のタイミングがそれぞれに異なっているようで、5週目に入った7/23現在でも未発芽のものも多く、ようやく芽が出かけたものなどバラバラです。2~3週で発芽のしたものは全体数からすると少ない率です。

 

 推測ですが、ミズバショウの種子が一斉に発芽しないのは子孫を残す戦略なのかも知れません。ミズバショウの種子は水によって運ばれますが、時間差を持って発芽すれば、色々なところに種子の分散が可能となり、親から遠ざかり分布を広げることが可能になります。(2019/7/23)

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