2019年の活動報告

ちはや園地 野生動物の夜間活動調査(2019)

 ちはや園地に野生動物の夜間の活動を記録する赤外線自動撮影カメラを設置させて頂いてから1年ほど経ちました。

 カメラの動作設定と設置方向を試行錯誤しながら少しづつ変えて、ようやくはっきりと動物を捉えることができるようになってきました。1台のカメラで設置設定も変えながらという状況ですので、生息数や行動の調査には至りませんが、ちはや園地近辺で生息する動物を観察することができました。また、特定外来生物の存在も確認できました。以下に、観察された動物の写真、簡易動画、観察状況、観察の気づきを順を追って記載します。

<観察の気づき>

・種類:哺乳類5種と鳥類4種を観察。テンが一番回数が多くほぼ毎月出現(複数個体かどうかの識別には至ってません)、それでも1回/週程度。次が特定外来生物のアライグマ。

・月別:ヤマドリ・コジュケイとイノシシは夏場に、タヌキ・ウサギ・アライグマは冬場に多く観察。

・時間帯別:アライグマとタヌキは比較的早い時間帯、テンとウサギは概ね一晩中、鳥類は明け方。

・集団行動:コジュケイとイノシシは親子で観察されてます、イノシシのカタクリなど園地の植物への大きな被害は聞いていませんが、くろんど園地の被害例もあり少し心配ではあります。アライグマは2匹で行動している姿が観察されています。特定外来生物ですので、個体数増加に注意必要そうです。

・その他:けもの道というと、同じ道を往復するイメージを持ってましたが、観察からはしゃくなげの路を往復している姿は記録されていません。人の通る道だけでなく、斜面を自由に通行しているようです。

 

<測定方法>

観察期間 :2019.5.12~

設置場所 :ちはや園地 しゃくなげの路(香楠荘尾根道への分岐点辺り)

撮影時間帯:日没から日の出まで(季節によるが18:00頃~6:30頃)

撮影方法 :赤外線による動物検出後、赤外線フラッシュで写真と動画撮影(機種 ハイクカムSP2)          

(2020/3/25 ます)

2020年アカガエルの産卵状況の調査

 くろんど園地のさんさくの池には、毎年アカガエルが卵を産みます。
以下、今年の産卵状況を観察したので報告します。
尚近年池の水が直ぐに干上がるようになっていたので止水作業をしました。(2020/3/8 T.T)

 

2020/1/25(土) 池の泥上げと水の落ち口の止水作業

 森林整備部のメンバーに協力いただき、さんさくの池の泥上げを試みました。しかし人力では困難につき、泥を池の縁に寄せ、水の落ち口に杭を打ち、そこにも泥を寄せて水漏れを止めるようにしました。

作業後は徐々に水が溜まっていくのか分かりました。

2020/1/26(日) 池の水のたまり具合を確認

 翌日池を見たところ、水量が増えているのを確認しました。

今年はアカガエルの産卵と成長に十分な水量が確保できそうです。

2020/2/8(土) アカガエルが産卵をはじめました

 この日たくさんのアカガエルの卵塊を確認しました。

アカガエルの生息数の推計は一つの卵塊に対してメス一匹、オス2匹と数えるそうです。この日約25個の卵塊が見られましたので今後産むのも含め30個の卵塊があるとすると、さんさくの池周辺には100匹近いアカガエルが住んでいることになります。

 昨年は池が干上がってオタマジャクシが全滅しましたが、今年は親ガエルになるまで順調に育ってくれることを期待したいと思います。

2020/2/15(土) 園地の他の水辺のアカガエルの産卵状況

 第2キャンプ場の池やスイレン池でも産卵を確認しました。

2020/3/7(土) アカガエルの孵化状況

 さんさくの池の水量は十分に保たれています。

今年は2月後半~3月にかけて暖かいのでアカガエルの卵の孵化も早く、この日は卵塊の中でたくさんの黒く動くものが見られ、既にオタマジャクシになって泳いでいるのも確認できました。

 

追記:やすらぎの池の湿地にはイノシシのぬたば場があり、その水たまりにも

   アカガエルの卵塊がありました。園地ではミズバショウの芽が延び、

       カタクリやショウジョウバカマも花芽を出してきました。

       3月末には開花が期待できそうです。

2020/3/23(月) アカガエルのオタマジャクシその後

 水も温みアカガエルの卵塊は薄い膜状になって池に浮いていました。

水の中には既に10mm越えのオタマジャクシが沢山泳いでいます。

くろんど園地 カタクリの森 開花・生育状況等の調査・観察レポート(2019)

【要約】

カタクリの個体群の維持・成長予見を目的として、カタクリの森全域の開花数と、特定の調査箇所における1年生実生と植付け以降に生まれた若い個体の生育状況とを、調べました。残念なことに、イノシシと推測される食害と台風21号による倒木の被害を受けました。これらによるカタクリへの被害についてもあわせて報告します。

・開花数は約500で昨年(約1500)の39%に減少、イノシシによる食害が主因と考えられ、これにより800以上の個体が喪失した可能性があります。(上段左:図1と上段中写真1)

・実生数は110以上と推定(昨年は150以上)、昨年、アリ散布と思われる、特定箇所に集中的に芽生えた実生が小さな葉の個体に順調に成長しています(上段右写真2)。

・結実割合は、南西山側以外の調査箇所で40%前後と昨年の80%から減少。3月末の寒の戻りによる訪花昆虫の変化とかが気になりますが原因は不明です。翌年の実生数には好ましい状況ではありません。

あわせて、カタクリの生育に強い関係がある、送粉昆虫やアリの種子散布についても観察の気づきを書き留めます。

・送粉には、コハナバチの仲間と思われるハナバチに加え、ビロウドツリアブも寄与している可能性があります(下段左 写真3)。

・2017年に種を運んでいたアリは、テラニシシリアゲアリと判明。これに加えてクロヤマアリも散布に関係してると思われます。(下段右 写真4)

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