左の写真を見て下さい。これはツヅラフジ(葛藤)がフェンスに絡まって繁茂した様子です。
フジ(藤)やツタ(蔦)、カズラ(葛)などの蔓性の植物は自ら直立することができないので、他の樹木などに巻き付いたり、ひげの様なもので相手に引っ付いて伸びて行きます。
ツヅラフジも他の植物などに絡みつき、自らも互いに巻き付き複雑に絡み合って成長します。ツヅラフジは、むかし葛籠(つづら)を作るのに使われました。葛籠とはツヅラフジのつるで編んだ蓋つきの籠(かご)のことで、衣装や色々な物を入れるのに用いられました。
葛籠(つづら)を作るためには、ツヅラフジをたくさん集める必要がありますが、籠(かご)を編むためには、先ず絡み合ったつるを解きほぐして一本一本にしないといけません。その作業はもつれた糸を解きほぐすように手間のかかる面倒な仕事であったと思われます。
人の世界にも人間関係や、お金や物などに関する色々なもつれがあります。それに利害が絡むとどうしていいか分からず困ってしまいます。そんな状態で物事が決められずに悩んでしまうことを「葛藤(かっとう)」と言いますが、この言葉は、ツヅラフジ(葛藤)の絡み合った状態と同じだと言うことで生まれた言葉だと言われています。(2017/10/23た)
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