(No.35 にも ギンリョウソウの詳しい解説があるので、参照ください)
少し前の話になりますが、5月に、金剛山(ちはや園地)でギンリョウソウが咲いているのを見ました。昨年の5月にも、金剛山の違う場所で見たのですが、その時は、私は、不思議な植物に出会ったというか、また会うことはないと思い写真だけ撮りました。この花は、豊かな森でないと育たないと言われており、さすが金剛山と思いました。
なので、今回はギンリョウソウについて調べてみました。
ギンリョウソウはツツジ科ギンリョウソウ属の多年草で、別名ユウレイタケと呼ばれ、「菌従属栄養植物」とされます。(腐生植物と呼んだこともあるようですが、実態に合わせて、名称を変えた様です。)
「光合成をやめた植物」と呼ばれ、普通の植物のイメージは緑色ですが、画像のように、花茎もその先端の花も、白色です。
光合成の機能が退化したとも言えますが、背を高くする、葉を大きくする事が必要となる、光を求める競争を、面倒なので、やめましたという事も言えるようです。
ギンリョウソウは、林床に生え、周囲の樹木と共生する菌類と、菌根を形成し、そこから栄養を得て生活しています。光を必要としてないので、それほど地上に現れる必要がないので、見つけるのも簡単でないです。また受粉、種子散布はどうしているかと思いますが、そこは、主に、受粉はマルハナバチ、散布はモリチャバネゴキブリが行っています。
ギンリョウソウのように光合成をしない「菌従属栄養植物」は、520種以上あると言われ、私が目にしたものでは「ツチアケビ」「シュンラン」があります。この両者はラン科の植物ですが、ラン科シュンラン属には、独立栄養植物(光合成のみ)、部分的菌従属栄養植物(光合成+菌従属)と「菌従属栄養植物」の3種類があるそうです。
森を歩く時に、たまには、下方に目をやり、白い物があれば、それが何であるのかじっくり観察するも、いかかでしょうか。
【参考資料】
光合成をやめた植物ー菌従属栄養植物のたどった進化の道のり
https://bsj.or.jp/jpn/general/bsj-review/BSJ-Review5C.pdf
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