写真は、くろんど園地のさんさくの路の側にある池です。
この池には小魚や、イモリやカエル、トンボのヤゴやマツモムシ、アメンボウなどの色々な生きものが住んでいます。特に春先には二ホンアカガエルの産卵がみられ、最近ではモリアオガエルの卵も見られるようになっています。
写真を単純に見ると池があって森がある景色に見えますが、少し詳しく見ると水の中には落ち葉が沈んでいて水草が生えています。そして水際には泥場があり、次に草地となって最後は木の茂る森へと続いています。
このように水域から陸域、草地から森林域など、異なる環境が緩やかに移っていく場所のことをエコトーン(ecotone)-- 生態系の移行帯-- と呼びます。
色々な生きものが住むためには、それぞれの生きものに適した生活環境として、餌場・隠れる場所・繁殖の場が必要です。
両生類のニホンアカガエルは普段は湿り気のある森の腐葉や朽木の下に隠れて過ごし、草地や水辺に住む小昆虫や腐葉下にいるミミズなどを餌にします。春先には水場に出て来て産卵し、孵化したオタマジャクシは池の中のコケや水に沈んだ腐葉を餌にして大きくなり親になると陸上に上がります。
トンボは池に産卵しヤゴは水に住む水生昆虫の幼虫や小魚を餌にします。
トンボになる時は水草の上によじ登り羽化し、親になったトンボは開けた空間を飛んで昆虫を捉えて餌としますが、休息時は森の中の木の枝や葉陰にかくれます。
エコトーンは、様々な生きものに生活の場を提供する大切な場所となっています。最近ではさんさくの池の水が抜けたり、イノシシやアライグマによって水辺が荒らされたりしていますので、水の確保や水辺の環境保全をして多様な生きものが住めるようにしていきたいと思います。
(2024/1/1 た)
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