初夏の頃、くろんど園地の林間を散策していると黒ぽくて白色のアクセントが目立つホタルガに会うことができます。数が多く、昼間に飛ぶので、出会うのは簡単ですが、メジャーな蛾(ガ)ではないので、名誉回復のために紹介したいと思います。
チョウ目マダラガ科ホタルガ亜科の蛾で、名前の由来は、頭部が赤くて胴体が黒いので、ホタルに似ているということですが、皆さんはどう見えるでしょうか(写真1)。白い帯が発光体ということでしょうか。暗がりで飛んでいるとホタルのように見えなくもないかも(笑)。感のいい方は分類のところで気が付いたと思いますが、ガ目という分類はありません。チョウとガは昼行性と夜行性とか触覚の形状、綺麗とか地味とかなどで便宜上分けてはいますが、明確な違いはありません(例外が多い)。日本にいるガは約6000種ですが、一方のチョウは約240種です。つまり、ガの中の一部のグループがチョウということになります。それでもチョウ目となるのは人間のえこひいきでしょうか。
ホタルガの幼虫はサカキやヒサカキを食草とするようです。幼虫は黄色い体に黒のラインの入った毛虫で、その配色はまさしく警告色です(私はまだ見たことがないので参考URLを示しておきます*)。警告色が示すように幼虫(毛虫)は毒を持っていますので素手で触らないようにしてください(成虫には毒はありません)。一方、成虫は水しか口にしないようで、成虫の寿命は1週間くらいのようです。私も成虫が花などに止まっているところを見たことがありません。
ホタルガは全国に分布し、都会でも見ることができるようですが、庭木(サカキ)への害虫ということで駆除の対象になっています。地球に住む同じ仲間なので、毛嫌いせずに、園地内で出会ったら、その優雅なスタイルを堪能してみてください。くろんど園地では6月頃と9月頃の2回成虫が見られます。ひらひらと飛んで逃げても遠くには行かず、近くの葉にすぐに止まるので観察しやすいと思います。また、昼間活動する蛾には美しい蛾が多くいます。皆さんも見つけて楽しんでください。
(2024/4/6 大西)
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