お寺や神社の建物の床下などの砂場で、すり鉢状の穴を見かけたことがあると思います。ご存知のように、これはアリジコクの巣ですが、園地でも大きな花崗岩の庇の下や、ベンチの下、東屋の土間の砂場で良く見かけます。大小の穴があるのは、住んでいるアリジゴクの齢数(年齢)が違うためです。
アリジゴクはウスバカゲロウと言う昆虫の幼虫ですが、1~2年、長いものでは3年かけて成虫になると言われています。
さて、そのアリジゴクですが、どんな生き物か、実際に見たことがあるでしょうか? 左の写真は、巣穴から取り出したアリジゴクです。体長1.5cm位で頭には大きな牙(大あご)があり、3対の足(写真では前の2対が見えています) 、腹部は大きく、体にはたくさんの毛が生えています。
ところでアリジゴクは、どのようにすり鉢を作るのでしょうか?
アリジゴクは後ずさりしながら砂の中に潜り込み、ぐるぐる回りながら砂粒を大あごで挟んで上に放り投げて行きます。巣ができるとアリジゴクはすり鉢の底に潜み、アリなどの小昆虫が落ちて来るのをひたすらじっと待ちます。すり鉢は砂が滑り落ちないようなぎりぎりの角度になっており、アリがすり鉢に落ちて這い上がろうとしても砂が滑り落ちてきて中々上に登れません。
アリジゴクはアリの動きを体に生えた毛で感知し、牙(大あご)で砂粒を挟みアリに投げつけ、すり鉢の底におびき寄せます。アリジゴクは底に来たアリを牙で挟み込み、毒液をアリに注入して動けなくしてから、その体液を吸い取ります。アリの亡骸は、すり鉢の外に放り投げられるのですが、この一連の様子は、まさにアリにとっては地獄ということで、アリジゴクの名がつけられました。英名ではAnt
Loin(アリのライオン)で、小さいですが強いイメージのある生きもののようです。
面白い話では、アリジゴクは餌となるアリなどの体液を吸うので排出するものがほとんど無く、幼虫の間はフンをしないと言うことで、フンは2~3年も宿便として溜めておき、羽化して成虫になった時に初めて出すのだそうです。残念ながら、成虫はまだ見たことがないので是非見てみたいものです。(2017/8/23た)
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