先日2/4(日)ちはや園地の樹氷祭りで、クラフトのイベントが終了後に金剛山を散歩していた時、美しい氷花を見ることができましたので紹介します。花弁(はなびら)、スカート、扇、大きさ3~6cmくらいの色々な形の氷花が夕日にキラキラと輝いていました(写真1~3)。これはミカエリソウで、その群落に多くの氷花が見られました(写真4)
もう一種類、以前にちはや園地で見たものですが、アキチョウジの氷花も紹介します。こちらは、根っこ近くにできて、氷も複雑に成長して、天女の羽衣のように優雅な白い氷花になったものです。(写真5, 6)
氷花は、根から吸い上げられた水分が茎の中で凍り膨張し、茎の表面から外へと押し出されて出てきます。ミカエリソウもアキチョウジも、四角い茎を持つシソ科の多年草植物で、研究によると茎の表面には1ミクロンくらいの孔(あな)が多数あるそうです。(ちなみに髪の毛の太さは100μmなので、髪の毛の1/100の大きさです)。
ミカエリソウの氷花のまわりをアップしてみると(写真7 )、茎が表面で裂けて白っぽい部分が見えています。そしてはがれた表面が氷の端についていて、氷の成長とともに外に広がっていった様子が想像できます。アキチョウジのアップ(写真8)では、氷が茎から押し出されて出てくるところが見えます。
どちらも氷に細かい縞模様がついていますが、これは茎の表面にある複数の孔から押し出された氷がくっついて、成長していった過程を示しているものと思われます。このように、茎の表面の孔や裂け方の形状、気象条件によって、色々な形の氷花が作られていくのでしょう。茎が裂けて氷花ができても、根は生きているので、暖かくなると芽が出て、秋には花を咲かせてくれます。一年に2回も花を咲かせてくれるんですね。
今年はまだ寒さが続きそうです。金剛山で、氷花や樹氷、つららや霜柱と言った自然の造形美を楽しんでみてはどうでしょうか。(2018/2/6ます)
【追記】
ほしだ園地への入り口、私市駅の近くの大阪市立大学理学部附属植物園で、シモバシラが氷の花を咲かせていました。アキチョウジやミカエリソウと同じシソ科で、枯れた茎は見事に中が空っぽになってました。
2021年の冬は寒い日が続いています。夜中に氷点下の気温が続いた日の午前中には、里山のくろんど園地やその周辺でも、アキチョウジの氷花が見られるかもしれませんね。
(2021/1/10 ます)
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