6月になるとアジサイが咲きだします。アジサイの名所に限らず、町なかでもよく見かけます。水を好む植物で、水を与えていれば、比較的、楽に育つ植物のようです。
アジサイは、万葉集(7世紀から8世紀に編纂された歌集)にも歌われているようで「紫陽花」と書きますが、古くから人の目にふれた植物といえます。
このころのアジサイは、原種である「ガクアジサイ」と考えられ、現在よく見る球形の花は、品種改良されたもので、「アジサイ」とか「ホンアジサイ」と呼びます。
いずれも、花びらに見える外側は、装飾花であり、ガクが大きく発達したものです。本当の花は、中心にあり、真花(しんか)と呼ばれる、おしべとめしべを持つ両性花です。
アジサイの色は、アジサイに含まれるアントシアニンという色素と、補助色素と、土壌内のアルミニウムが加わって、決まるようです。アルミニウムが吸収されると青くなり、吸収されないと赤くなります。アルミニウムは溶けないと根に吸収されないので、酸性の土壌では青くなると言われます。ただ、同じ株のようでも、色が違うことがありますが、アルミニウムの吸収の度合いと補助色素のバランスによるのでしょうか。
また、咲き始めは、黄緑ですが、これは葉緑素の色であり、葉緑素が分解されると、アントシアンの赤、さらにアルミニウムが吸収されると、青になります。
歩いていて、アジサイを見つけると、季節を教えてくれるようで、うれしくなります。花言葉では、色が変わることから、「移り気」とか、花びらが多いことから「仲良し」とか言われています。アジサイにすると、勝手な決めつけかもしれません。 (M.S 2024.06.22)
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