・ちはやチーム - NPO法人 日本パークレンジャー協会

ちはやチーム

ちはやチームは大阪府の南部、千早赤阪村にある「ちはや園地」を中心に、ガイドウォーク、石窯ビザづくり、ナイトハイク、星空観察、ハイキングなどのイベントを行っています。近日開催予定のイベント情報はこちら。

2025年度活動報告

 ※参加者の写真は事前に許可をいただいうえで掲載しています。 

 

「ナイトハイク&星空ウォッチング」 2025/7/26(土)

 2025年7月26日(土)、ちはや園地で「ナイトハイク&星空ウォッチング」を行いました。
今回は参加申込が少なく、当日キャンプ場に宿泊されてい方にお声がけしたところ3名の方がご参加くださいました。

 当日はいい天気で、昼間は気温は上昇しましたが、時折涼しい風が吹く一日でした。夕方6時に集合しイベントを開始しました。今回は例年のように子どもさんの参加がなく、歩くペースも早くなってしまったように思います。

 先ずは展望台で夕焼け観賞。明石海峡に沈む夕日を眺めながら、これから観察するヒメボタルの予備知識としてクイズを行いました。


 日没前に展望台を出発してムササビ観察へ向かいました。夜7時過ぎに到着した頃は、まだ辺りはほんのり明るい状態でした。約30分ほど静かに待機していると、少し遠くで鳴き声が聞こえました。

 ムササビの登場を期待してその後も観察をつづけましたが、残念ながらこの日は姿を現してくれませんでした。

 8時頃に、来た道を引き返してピクニック広場に向かいました。辺りはもうすっかり暗くなって、御所市の夜景がきれいに見えました。道中時々ライトを消してみると、うっすら光るものが見えます。ホタルの幼虫です。これはヒメボタルではなく、同じ陸生ホタルのマドボタル属の幼虫です。そうです、ホタルは幼虫も光るんです。

 その後、ちはや園地内を歩いているとスタッフが1匹だけヒメボタルの成虫が飛んでいるのを確認しましたが、残念ながらすぐに見えなくなってしまいました。幼虫とは違い光が強く光り方もストロボの光のように点滅します。

 8時半頃にピクニック広場に到着し上空を眺めると、少し薄雲はあるものの満点の星空が見えました。参加された皆さんからは、「これほど見えるのか」と驚きの声がありました。


 取り急ぎ準備をして、星空観察を始めました。夏の大三角をはじめ、北斗七星、いて座、さそり座などが綺麗に見えました。
参加者の皆さんにも満足していただけたようです。

 今回は、参加者が少なく寂しいイベントになりました。天気も良かったので、もっと多くの人に夜の森やちはや園地の星空を楽しんでいただきたかったのですが、残念でした。

夕日を見ながらヒメボタルクイズ
夕日を見ながらヒメボタルクイズ
ムササビ観察中
ムササビ観察中
ヒメボタル観察中
ヒメボタル観察中
マドボタル属の幼虫 なんと幼虫も光るよ!
マドボタル属の幼虫 なんと幼虫も光るよ!
満点の星空
満点の星空
星空解説中
星空解説中

〔参加された方の感想〕(抜粋)

・初めて夜の山を歩きました。普段体験できないことをいろいろ体験できて良かったです。
・ムササビの声を初めて聴きました。姿が見られなかったのは残念ですが、ヒメボタルや星空観察についてもいろいろ勉強になりました。
・金剛山から明石海峡大橋が見えることを知って驚きました。
・一人では歩けない夜の森を歩けて良かったです。

 

「ナイトハイク&星空ウォッチング」 下見 2025/7/19(土)

 7月19日(土)「ナイトハイク&星空ウォッチング」の下見を行いました。
当日の天気はところどころ雲があるものの晴れ。ある程度風があり、暑くはありますがいくぶん涼しい一日でした。
 午後3時にスタッフが集合して、キャンプ場での宿泊準備と打ち合わせをした後簡単に夕食を済ませて下見を行いました。

 登山道は轍や雨の影響かえぐれているところが多く、本番での注意喚起の必要を感じました。先ずは、展望台での夕焼け観賞から。この日の日没は午後7時10分、明石海峡に沈み夕日を暫し眺めました。

 日没後にムササビ観察地点に到着。15分ほど観察したところで鳴き声が聞こえました。しかしその後も観察を続けましたが、残念ながらこの日はムササビの姿は観察できませんでした。

 午後8時頃からダイヤモンドトレールを園地へ向けて辺りを観察しながら進むと、ヒメボタルの姿がちらほら見られました。ほとんどは幼虫で、成虫は数匹のみでした。

 ピクニック広場に戻り星空観察に臨みましたが、上空は薄い雲が広がり、時折こと座のベガなどの1等星が見られる程度でした。この時点でとりあえず下見は終了し、一度仮眠して再び星空観察に臨むことにしました。

 午後11時頃再び起きてみると、満点の星空が出ていました。急いでテントから這い出してピクニック広場に行きましたが、わずかな間に霧が立ち込めてきて星空を隠してしまいました。

 しかし、しばらく待っているとだんだんと霧が晴れてきて、夏の大三角やカシオペヤ座、ペガスス座、アンドロメダ銀河などが確認できました。本番では、イベントの時間中にこれくらい見えてくれることを期待します。

 今回は、参加申込が少なくまだまだ空きがあります。本番は26日(土)です。キャンプ場に宿泊予定の方はもちろん、まだ宿泊申込していない方も是非キャンプ場に泊まっていただいて「ナイトハイク&星空ウォッチング」にご参加ください。

・「ナイトハイク&星空ウォッチング」申込は →コチラ
・ キャンプ場宿泊申込は →コチラ

 

自主研修「オトシブミを探してみよう」2025/6/5(木)

 6月5日(木)ちはや園地でオトシブミ観察の自主研修を行いました。当初予定していた5月31日の実施が雨のため中止となったため、日程を変更して実施しました。


今回の研修では、
・オトシブミの揺籃を探し、生息場所、生息環境、生息する樹木の種類などを調査する。
・揺籃と生息場所からオトシブミの種類を同定する。
・タイミングが良ければ揺籃作りの様子を観察する。
を目的として実施しました。

 当初の予定どおり、金剛山ロープウェイ前からちはや園地までの登山道を揺籃を探しながらゆっくり歩きました。途中コクサギなど葉が巻かれているものはいくつかありましたが、オトシブミではないようでした。普段の2倍以上の時間をかけて、ちはや園地まで歩きましたが道中ではオトシブミの揺籃は見つかりませんでした。
 その代わり、意外なものも発見しました。ナナフシの幼虫です。(写真1、2) 小さいけれど、しっかりナナフシの形をしていますね。

 ようやく園地に着いて、エゴノキを観察しているといくつか揺籃が付いているのを見つけました。(写真3)詳しく観察しているとオトシブミの成虫らしき個体も発見しました。(写真4、5)

(写真1)ナナフシの幼虫を発見
(写真1)ナナフシの幼虫を発見
(写真2)ナナフシの形をしていますね。
(写真2)ナナフシの形をしていますね。

(写真3)エゴノキで見つけた揺籃
(写真3)エゴノキで見つけた揺籃

他のエゴノキにも同様にいくつかの揺籃がありました。とりあえず、揺籃を採取して調べてみることにしました。 

 午後からはクリやブナなどの雑木林を探して見たところ、地面に1つだけ揺籃を見つけました。(写真6)

その後もしばらく探しましたが、それ以外は見つかりませんでした。

(写真4)エゴノキで見つけた成虫
(写真4)エゴノキで見つけた成虫
(写真5)体長は1㎝弱
(写真5)体長は1㎝弱

 図鑑を基に同定を試みたところ、エゴノキで見つけた個体と揺籃はおそらく「エゴツルクビオトシブミ」のメスではないかと思われます。雑木林で見つけた揺籃は、切り落された後で樹種がはっきりせず同定はできませんでした。
 どちらも持ち帰ってしばらく観察することにします。

(写真6)雑木林で見つけた揺籃
(写真6)雑木林で見つけた揺籃

 今回の研修では、オトシブミの揺籃のタイプや作り方に違いがあることや、切り落すものと切り落さないものがあること、1つの種類のオトシブミでも2通りの作り方をするものがあることなど、より深く学ぶことができました。しかし、まだまだ奥が深く解らないことも沢山あります。
 また、普段と視点を変えて観察することで、普段は見過ごしているものを発見したり、樹木の勉強にもなりました。
今後も機会があれば、また観察場所を変えてやってみたいと思います。(ogi)

 

 

 

自主研修「ニリンソウのお花畑を見に行こう」 2025/5/3(土)
       ニリンソウの群落
      ニリンソウの群落

 5月3日(土)金剛山でニリンソウ観察の自主研修を行いました。この日もニリンソウ目当てで金剛山を訪れる人が多く、バスは満員でした。
 金剛山カトラ谷にはニリンソウの群落があり、毎年この時期見ることができます。毎年見ていても、改めて見ると群落美しさは圧巻で、癒されます。大勢の方が訪れるわけです。


今回の研修では
1.ニリンソウの名前の由来の「二輪咲くから」というのは本当なのか?
2.生息する環境、生存戦略について
3.ニリンソウの形態や葉
4.ニリンソウの花の形・色。イチリンソウとの違い。
5.図鑑が解説していないニリンソウの器官は
などについて実際に観察して確認し、下記のようなことがわかりました。

1.二輪咲いているものもあれば1輪のみのものもある、ネット調べによると生存戦略のため一気に二輪咲かさずに、一輪ずつ時間差で咲いているのではないかとのこと。
2.林内や林縁の湿った半日陰地に群生している。
3.葉は全体的には、五角形状で、大きく3つに分裂する。同じキンポウゲ科のトリカブトの葉によく似ている。
4.白い花弁に見えているものは萼片で5枚ある。内側は白で外側は薄いピング。蕾は薄いピンク色。イチリンソウは一輪のみで、ニリンソウよりかなり大きい。
5.図鑑では詳しく解説されていないが、花茎の基部に2枚に小さな葉のようなものが出ている。ネット調べによると苞ではないかとのこと。

 その他ニリンソウ意外にも、ウワバミソウ、ネコノメソウ、トウゴクサバノオ、サイゴクサバノオ、ナベワリ、ヤマシャクヤク、イチリンソウ、エンレイソウ、バイケイソウ、ヤマルリソウ、ヤマトグサ、ツクバネソウ、ハナネコノメ、ユキザサ、ヒトリシズカ、ミヤコアオイ、カタクリ、ヤマブキソウ、クリンソウ、ミヤマカタバミ、チゴユリなどが観察できました。
 まだ見ていない方は、是非一度行ってみてください。(ogi)

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