くろんど園地を散策していると木の表面に4cmくらいの中型のチョウが翅(ハネ)を広げてとまっているところを見ることがあります(写真1)。よく目立つのでチョウのようですがヒョウモンエダシャクという蛾(ガ)の仲間になります。今回は後翅の先端部がオレンジ色(黄色)でよく目立つ蛾について紹介します。
チョウ目シャクガ科の仲間で、白地に黒い紋が散りばめられています。名前の由来はさだかではないですが、後翅の黄色い部分に黒い紋があるので豹紋(ヒョウモン)エダシャクと呼ばれたと思います1)。前翅のように白地に黒い紋を名前にすると、通常は”ゴマダラ”となるように思います。
ヒョウモンエダシャクは木肌に擬態しているわけでもなく、よく目立つのですが鳥に食べられることはありません。ヒョウモンエダシャクは身体に毒を持っているからです。幼虫はアセビの葉を食べているので、アセビの毒が体内にたまります。成虫になってもこの毒は体内に保ったままなので、鳥も嫌がって食べないようです。目立つ姿をしていても安心なのですね。

写真1はメスで写真2はオスのヒョウモンエダシャクになります。違いがわかりますか。そう、触角の形が異なります。オスは櫛(くし)状、メスは糸状の触角をしています。オスが櫛状の触角をもっているのは匂い(メスのフェロモン)を嗅ぎやすくする(感度が高い)ためだそうです。
シャクガの仲間の幼虫はいわゆるシャクトリムシ(尺取虫)と呼ばれるものです。歩き方が独特で、腹側(後方)の脚(腹脚)で身体を山なりにして胸の方に寄ったあと、腹側の脚を止めて胸側の脚(胸脚)で前に進むといった感じです。皆さんもどこかでみたことがあるのではないでしょうか。まだヒョウモンエダシャクの幼虫を見つけられていないので、参考にURL2)を下記にしめします。
ヒョウモンエダシャクは北海道から九州で見られる日本固有種です。くろんど園地でも5月,6月頃に見ることができます。よく目立ち、簡単に見分けることができると思いますので、見つけたらきれいなものにはトゲ(毒)があることを思い出してください。
1) くろんど園地には数は少ないですが似たような蛾で後翅全体がオレンジ色のキシタエダシャクもいますので注意が必要
2) ヒョウモンエダシャク
(2026/6/5 大西)