日本の夏というと蚊取り線香とセミしかすぐに思いつかないので、今回もセミの話題です。皆さんはセミの声というとどのセミの声をイメージするでしょうか。今なら朝からやかましく鳴くクマゼミという意見が多いと思いますが、私の子供のころは近くにクマゼミはいなかったので、夏休みに聞いたミンミンゼミの声をすぐに思い浮かべます。遠くからでもよくとおる声です。くろんど園地でも盛夏の頃には多くのミンミンゼミが鳴いていますので、今回はこのミンミンゼミを紹介します。

カメムシ目セミ科の昆虫で、お腹が太くて短いのですが翅が長いので大きさとしてはアブラゼミと同じくらいの大きさになります。横から写した写真を見ると胸板が厚く、いかにも大きな声が出そうですね(写真2)。鳴き声は皆さんご存じの「ミーンミンミンミンミンミー…」です。

鳴いているのはオスということはご存じと思いますが、オスとメスとを見分けるのにお腹側から見た時の胸と腹の境にある板状の構造物(腹弁)の大きさがあります。鳴くための器官がその下にあるのでオスは大きな腹弁を持っています(写真3)。
子供のときに慣れ親しんだ声なので思い出しただけでいつでも声が聞こえてきそうになります。アブラゼミもよく聞いた鳴き声ですが、歳を取ると耳鳴りと区別がつかなくなり良いイメージがなくなってしまいました(笑)。
ミンミンゼミもアブラゼミと同じで卵は1年後の夏にふ化して幼虫は木の根で樹液を吸って成長し、4~6年後に羽化します1)。
ミンミンゼミは北海道南部から九州で見られ、西日本では山地に多い傾向です。くろんど園地でも8月,9月頃によく声を聞くことができます。声のする方を見てもなかなか姿を見つけられず、近づくと鳴き止んでしまいますが、しばらくじっとしているとまた鳴き始めるので、セミの声だけでも堪能してください。山の中で聞くセミの合唱は日本の夏の風物詩として次の世代にも引き継いでいきたいですね。
1)「日本動物大百科8」 日高敏隆監修、平凡社(1996)
(2026/7/3 大西)